2013年2月1日金曜日

安東さんお話会@郡山 質疑応答編

質疑応答

Q1:林業について、森林除染の状況はどうだったか。
A1:森林の除染はしていない。日本のような大規模なものではないが、建物はしているところもある。屋根の葺き替えや、公共施設の周りは表土のはぎ取りなど。
森に入る人が少なくなり、オオカミなどの動物が増えたことにより、狂犬病が増えた。
木材の放射線検査はしている。測りながら使っている状況で、森林そのものの除染はしていない。

Q2:チェルノブイリ周辺の子供たちをテレビで見ると、食品測定などの様子や内部被曝が以前高いなどの情報がよく出るが、国の食品対策はどうなっているのか?
A2:子供の内部被曝が大きい理由は、いくつかの要因がある。
家庭菜園の比率が高いこと。日本では、流通品を食べる人が多い。
口にする食品の種類が限られている。じゃがいもや、乳製品などを摂取することが多い。
食品によって線量が偏在するが、同じ食品を継続的に食べることによるリスクが高くなっている。
もう一つの理由が、貧困などの家庭環境。
お金があれば食材を選ぶことができるが、そうでなければ山で採ったキノコなどを食べさせてしまう。また、親の無関心や、親がアルコール中毒などで注意を払わないなどの事例もある。
政府としての対策はとられている。国営企業なので、検査・出荷などの対策は、統一した対応はとりやすい環境。流通前に検査し、検出された場合は理由も調査し、ただちに対策をとるようになっているとのこと。
一週間ベラルーシ滞在後WBCの検査を受けたが、NDだった。

補足意見1:自分もベラルーシに行ったが、そこで子供たちがじゃがいもの測定をしていた(ブラギンの子供たちの方が丁寧だった)
ベラルーシでは、じゃがいもが70~80(Bq)の規制値。みんな、70以下なら大丈夫だと思っている。日本では限りなくゼロにと、農家のみなさんが涙ぐましい努力をしている。

補足意見2:現在でも子供たち全員が、内部被曝を計測している。子供の保養施設があり、年に一度四週間ほど滞在する。滞在前にWBCを受ける。2~30人は20Bq/Kgを越える子供もいるが、すごく低いという意識。数値の捉え方が日本とはずいぶん違う。

安東さん:それはノルウェーも同じで、基準値以下であれば誰も気にしない。基準への信頼感がある。政府は基準を超えた物は絶対に出荷しないだろうという安心感がある。ただ、時間の経過によるもので、すぐに信頼されていたわけではないと思う。
日本も、国民性の問題にせず、何らかの対策をとれば信頼が得られるのではないかと思った。

Q3:子供の内部被曝の対策について。内部被曝を測ることが重要だと思うが、日本の対策は十分ではないのでは?(東京の方からの質問)

A3:WBCは少しずつ計測されている。特殊な機械なので、まだ全員を測るには足りていない。子供から検査しているが、大多数はND。子供より大人(老人など)が高い。
年間で1mSvを越えるような人はほとんどいない。いても、イノシシやキノコをよく食べるような限られた人。
今ある機械で、頑張って測っているほうではあると思うが、もう少し頑張って欲しい。

Q4:まだWBCでNDではないベラルーシの子供たち。ベラルーシでの対策は?

A4:原因を割り出して、原因食品に対する対策をしている。
私が話を聞いた限りでは、アップルペクチンは推奨されていない。高度の内部被曝では効果があるかもしれないが、日本のように数値が下がっていると効果が限られている。それより、内部被曝の原因を探って、その食品に対する対策をした方が効果的。
補足:四週間セシウムフリーの食事をとることで、内部被曝の数値がずいぶん下がるようだ。



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